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第二十七回「今から『貯骨』して、骨粗鬆症知らず!」

髪についての知識やおもしろ話など知ってトクするいい話をご紹介!

第二十七回「今から『貯骨』して、骨粗鬆症知らず!」


  年配女性に多いと言われる骨粗鬆症とは、どんな病気でしょうか?骨のカルシウムが減少して、骨がスポンジのようにスカスカになってもろくなってしまう疾患です。加齢や閉経、運動不足、カルシウム摂取不足などが原因と言われています。圧倒的に女性が多く、女性の患者は男性の約5倍とのこと。50歳代から増え始め、70歳代の女性のうち約半数が骨粗鬆症というデータもあります。
 骨粗鬆症はかかっているだけでは、大きな症状はありません。背骨が丸くなったり、腰や関節が痛むこともありますが、その年代では他の疾患でも同様の症状が起こるため、骨粗鬆症が原因とは判断できない部分があります。
 骨粗鬆症で最も恐いのは、骨折しやすくなることです。骨折が原因で寝たきりになるお年寄りが多いように、骨折を避けることは年配の方にとって健康な生活を送る上で大切なことと言えるでしょう。
 最も骨が丈夫なのは、20代~30代がピーク。加齢とともに骨を生成する細胞が衰え、カルシウムの吸収をサポートするビタミンDが不足することで、骨が弱くなっていくのです。
 このように誰でも年齢を重ねると骨量は減ってしまうのですが、生活習慣や運動などで骨量を減りにくい身体に整えることは可能です。若いうちからカルシウムの摂取や適度な運動を心がけて、まるでお金を貯める「貯金」のように骨量を貯めておく「貯骨」をすることをおすすめします。また年配の方も今日から、「骨を作る」ことを心がけて骨の老化スピードを少しでも遅くしましょう。
 そのために大切なのは、やはりカルシウムを摂ること。骨の素をしっかりと摂取しましょう。一日に牛乳をコップ一杯飲むだけで、豊富なカルシウムを摂ることができます。牛乳が苦手な方は、魚や緑黄色野菜などカルシウムが豊富な食材を上手に組み合わせて下さい。
 摂取したカルシウムを骨に蓄積させるためには、運動が欠かせません。いくら牛乳や煮干しなどを摂っても、運動しなければ骨量は増えないと言われています。無理な運動は禁物ですが、適度に骨に負荷をかけることがポイントなので、ウォーキングがおすすめです。最初は普段歩く量にプラス500歩を目標にするとよいでしょう。
 ウォーキングが骨粗鬆症によい理由は、運動面だけではなくもう一つあります。それは外を歩くことで、「日光浴」の効果を兼ねているからです。適度に陽に当たることで、カルシウムの吸収を助ける役割のあるビタミンDを体内で作ります。運動がしづらい方も、天気のよい日に日光浴をしましょう。
 このように日常のちょっとした心がけで「貯骨」ができ、骨粗鬆症にならない骨作りへとつなげることができます。「カルシウム」「適度な運動」「日光浴」の三つをぜひ心がけてください。

第二十六回「ヘルシーへの早道は、筋トレでパワーアップ!」

第二十六回「ヘルシーへの早道は、筋トレでパワーアップ!」


  筋肉は脂肪より重い…というのは、よく言われる話ですよね。そのため「筋肉をつけたら、体重が重くなってしまう」と、筋トレに抵抗を示す女性も少なくないようです。ところが実は筋肉は、健康の美容の強い味方。筋力をアップさせることは脂肪燃焼効果はもちろんですが、その他にも健康を保つために最適な効能がたくさんあります。

 人の身体の熱の40%以上は、筋肉からつくられると言われています。そのため筋肉の量が少ないと、体温の低下を招きやすくなります。現代人に多い「低体温」は万病のもと。人の体温が一度下がると免疫力は約30%下がり、基礎代謝が約12%下がると言われています。また体温が低いと、血液の脂肪や糖分も代謝されず、高脂血症や糖尿病など生活習慣病にもつながってしまうことも。つまり筋肉が少ないと体温が下がりやすく、そのために疾病にかかったり、太りやすくなってしまうのです。

 筋力をつけることで、高齢者の悩みに多いひざの痛みや腰痛を和らげることも可能です。加齢によるこうした痛みの原因は、筋肉が衰えて骨へダイレクトに体重がかかること。筋肉をつけるとひざや腰への負担が減るため、節々の痛みが軽減されるでしょう。

 さらに筋トレで身体を動かすことで血の巡りがよくなり、脳卒中のリスクを減らしたり、むくみや高血圧、心臓病にもなりにくいと言われます。年齢を重ねると血液が上半身に集まりやすくなりますが、下半身の筋肉を鍛えることで全身に血を届けましょう。

「若い人なら運動すればいいけれど、私は年だから」と年齢を気にする方もいらっしゃるかもしれません。年配の方も無理のないトレーニングで筋力アップは十分可能です。ダンベル体操やスクワット、腹筋、背筋など。無理な運動をする必要はなく、寝そべってお腹に力を入れるだけでも腹筋運動ですし、テレビを見ながら足や背中を少し浮かせるだけでもOKです。家事をしながらつま先歩行もよいですね。ただし筋トレは毎日行うと疲労が蓄積して逆効果。筋トレした次の日は筋肉を休ませて一日おきにするのがベストです。

 トレーニングを活かして筋肉へと育てるためには、タンパク質を積極的に摂取しましょう。運動後に牛乳やヨーグルトで手軽に補給するのがおすすめです。ビタミン類も不可欠なので野菜や果物も摂り、きちんと睡眠を取ることが大切です。

 八十歳を過ぎたある大女優さんは、今でも定期的にスクワットを欠かさないそうです。背筋もしゃんと伸びて年齢を感じさせないのは、日頃の鍛錬のたまものなんですね。

第二十五回「夏の三大ご用心!日射病・熱射病・熱中症について」

第二十五回「夏の三大ご用心!日射病・熱射病・熱中症について」


 気温も湿度も上がりやすい夏は、陽射しや熱気に気をつけて体調管理することが不可欠です。最近は「熱中症」という言葉をよく耳にするようになりました。「日射病」「熱射病」とも混同しやすいので、その違いを明確にしながら、原因や症状などのメカニズムと対策について紹介します。

 最も新しい言葉である「熱中症」は、高温多湿の環境で起こる症状の総称です。熱失神、熱疲労、熱けいれん、熱射病をすべて「熱中症」と呼びます。つまり「熱中症」は、ひとつの症状を指すのではなく「高温多湿でかかる疾患」のグループ名と言えます。さらに「熱射病」の中で、陽射しが原因で起こる症状を「日射病」と呼んでいます。
 日射病・熱射病・熱中症は異なる三つの疾患と誤解されがちですが、「熱中症(高温多湿による疾患のグループ名) > 熱射病(一つの疾患) > 日射病(熱射病の中で陽射しが原因のもの)」という違いがあります。

 私たちが子供の頃、よく両親や学校の先生に「日射病にならないように気をつけなさい」と言われました。かつては一般的には他の熱中症もひとくくりに「日射病」と呼ばれていたように、「日射病」は最も長くなじみのある言葉です。この「日射病」とはどのようなものでしょうか。
 夏の暑い陽射しを浴び続けて歩き回ったりすると、身体がオーバーヒートしてダウンしてしまうのが「日射病」。症状としては、顔が赤くなる、息が上がって荒くなる、皮膚が乾いて汗が出ない、めまい・頭痛・吐き気などが挙げられます。ひどい時は意識不明になったり、最悪の場合は命を落とすこともないわけではありません。

 日射病は陽射しが原因なので、予防するには後頭部と首に直射日光が当たらないようにすることが肝心。タオルを中に入れたつばの広い帽子を被るのがいいと言われています。
 もし身近な人が日射病にかかってしまったら、すぐに風通しのよい日陰に頭を高くして、吐き気がある場合は横向きに寝かせます。濡れタオルなどで首やワキの下を直ちに冷やし、スポーツドリンクを飲ませて、あおぎながら風を送りましょう。

 高温多湿の中を長時間歩いたり、無理な作業を続けることで、体内の水分や塩分が不足して、体内調節が効かなくなってダウンするのが「熱射病」。症状としては、顔が青白くなる、大量の汗が出る、皮膚がじっとりとして身体が冷たい、めまい・吐き気がある、身体がだるくなるなど。
 熱射病を避けるには、炎天下のテント内など高温多湿の場所での長時間作業や、無理な運動を避けることです。必ずこまめに水分補給すること。

 熱射病にかかってしまった人への応急処置は、まず日射病と同様に涼しい日陰に頭を高くして寝かせましょう。体温が低い場合は、身体を締め付けている衣服などをゆるめます。水か薄い食塩水を15分おきくらいに飲ませましょう。

 暑い夏はこれらの熱中症にならないために、湿気のある暑い場所で無理をしないことが一番です。炎天下でのレジャーや仕事の際は、かならず帽子を被ったり、こまめに水分を取りましょう。

第二十四回「水虫の原因・白癬菌!水虫の予防・治療のススメ」

第二十四回「水虫の原因・白癬菌!水虫の予防・治療のススメ」


湿気が多く、気温も高くなった時期に心配なのは水虫です。
水虫の原因が「白癬菌(はくせんきん)」というカビの一種であることはよく知られていますが、どうして白癬菌が原因で水虫になってしまうのでしょうか?
白癬菌が皮膚表面の角質層に寄生すると、角質層にあるケラチンというたんぽく質を栄養にして繁殖してしまいます。
ケラチンは皮膚だけでなく髪や爪にも含まれていて、昨今話題の「爪水虫」も同じメカニズムで爪に寄生して白癬菌が繁殖してしまう病気。
水虫は身体中どこでも発症する可能性がありますが、もっとも多いのが足と爪で約8割を占めています。

水虫の予防法は白癬菌を寄生させないこと。そのためにはどうすればよいでしょうか。
白癬菌は湿気の多いじめじめした場所が大好物。温度15度、湿度70%以上になると繁殖すると言われています。
昨今は夏場などでもブーツファッションを見かけることから、若い女性の水虫が急増しています。
また白癬菌の生命力はとても強く、はがれ落ちた皮膚の中でもまだ元気に生きているほど。
「水虫は一度かかるとなかなか直らない」と言われる一番の原因はこの白癬菌の生命力。
本当は梅雨時や夏場は足元の通気性をよくして、サンダルやミュールなどで過ごすのが一番いいのですが、ビジネスマンには難しいと思います。

そこで水虫にかからないためには、日常のケアが肝心。
白癬菌の好物はじめじめした環境なので逆に乾燥した場所に弱いと言えます。
靴下と靴はできる限り通気性のよいタイプを選びましょう。そして帰宅したらすぐに靴下を脱ぎ、刺激の少ない弱酸性の石鹸で、足の指まで念入りに洗い清潔にしておきます。
すぐに扇風機の風に当てて乾燥させるとベター。市販のパウダーやデオドラント剤などを併用するのもおすすめです。
また白癬菌は足ふきマットやスリッパの中などでも生き続ける菌です。

もし家族に水虫の人がいたら、専用のものを用意するなど家族間で移らないように配慮しましょう。
もし万が一、水虫にかかってしまったら、塗り薬や飲み薬で根気よく治療しましょう。
カサカサの水虫には液剤、クリームなど、ジュクジュクの水虫には軟膏、爪水虫には飲み薬というのが一般的。昨今は速乾性のスプレーなども人気ですし、いろんな種類があります。
皮膚の角質層がやわらかく浸透しやすいことで、お風呂上がりにつけるのがよいでしょう。

かつては「不治の病」とも言われた水虫ですが、今では優れた治療薬も多く、常に清潔、乾燥を心がければ、薬で完治できる病気です。

とはいえ、なってしまうといろいろと不都合も多いので、まずは予防を心がけましょう。

第二十三回「梅雨の季節の悩み、関節痛を和らげるには?」

第二十三回「梅雨の季節の悩み、関節痛を和らげるには?」


じめじめとした湿気が気になる梅雨は憂鬱な気分になるだけでなく、関節の痛みを持つ人にはつらいシーズンです。重くなると身体の節々に痛みを感じて「朝起きて立ち上がるのがつらい」「膝が曲がらない」という人も少なくありません。

 なぜ梅雨の時期には、関節の痛みが激しくなるのでしょうか。その要因は、湿気によって汗腺の調節がしにくくなり、自律神経系のコントロールが効かなくなるからだと言われてします。ちなみに寒い時期の関節痛は、暖房の効いた室内と屋外の温度差で体内の血のめぐりが悪くなり、筋肉組織が硬く動きにくくなるからだそう。

 加齢とともに関節痛を感じるのは、骨と骨をつなぎ合わせる「関節軟骨」が長い年月に渡って負担をかけることですり減る消耗品であるためです。さらにこの「関節軟骨」は、若い頃は自動的に修繕されるのですが、年を重ねるに連れてその能力も衰え、弾力性が失われます。骨と骨が擦れるのを防ぐクッションの役割をしていた「関節軟骨」がすり減ることで、炎症を起こして「関節痛」を引き起こすのです。

 また肥満や運動不足によって筋力が低下して「変形性関節症」になってしまうこともあります。

 こうした「変形性関節症」は、症状を抑えたり痛みを和らげることはできても、一度なってしまうと完治は難しいと言われています。さらに何年もかけてゆっくりと進行するので、初期の頃は少し「痛いな」と感じてもすぐに治まってしまうので、見過ごしてしまいがち。そのまま放置すると、膝が変形したり、水がたまってしまうので、進行してしまう前に予防を心がけましょう。早めに日常生活の中で気を配ることで、関節の痛みを予防することは可能です。

 室内は湿気の少ない環境に保ちましょう。エアコンで冷気を直接当てずにドライ空調にするのがおすすめ。入浴の際には関節を温めながら、ゆっくりとマッサージをすることで血行を促進させます。

 痛みを感じたら関節を冷やさないようにサポーターなどで温めます。痛みがひどくない時は負担がない程度の家事や、可能であればウォーキング、水泳など、運動の習慣をつけるのが望ましいと言われます。

 「関節は加齢とともに衰えるものだから」とあきらめずに、適度な運動や生活習慣で大切な身体を守っていきましょう。

第二十二回「髪の日焼けやカラーリング!ダメージから守るヘアケア」

第二十二回「髪の日焼けやカラーリング!ダメージから守るヘアケア」


 日焼けのピークは、真夏だけと思いがちですが、紫外線は五月もとても強くなります。お肌のUV対策は万全でも、髪の日焼けは意識していないことが多いのではないでしょうか。むしろ肌よりも髪の方が紫外線のダメージにさらされやすいのです。
 紫外線のダメージを受けた髪は、アミノ酸の結合を壊してしまうことで、キューティクルがはがれて、枝毛、切れ毛などの原因になってしまいます。
また紫外線を浴びた髪はメラニン色素が分解されて、赤茶っぽい色へと退色してしまうことも。
紫外線による髪の日焼けを甘く見ると、いつしか髪はパサパサになり、抜け毛を促進してしまいかねません。

 紫外線から髪を守るためには、UVカットのできるヘアケア剤を使ったり、日傘・帽子などのアイテムを活用。またテタリストリートメントによるお手入れで、髪に栄養を補給するのもおすすめです。
 特に気をつけたいのは夏のレジャー時です。海水浴では髪に海水をつけたまま放置することはタブー。海水がついたままの髪は、浸透圧で髪の水分を失って乾燥してしまいます。
紫外線を浴びる前にシャワーや真水で、必ず髪の海水を流しましょう。海だけではなく、標高の高い山も紫外線のダメージが強くなるので、より髪のケアにも気を配りたいものです。
  髪に与えるダメージは紫外線だけでなく、日頃のお手入れが原因という場合もあります。ャンプーのすすぎ残しや、ヘアワックスなどスタイリング剤の残留も原因のひとつ。カラーリング剤の影響もあなどれません。

 ある程度年齢を重ねた方の白髪染めだけではなく、近年では若年層のファッション的なカラーリングも定着して「染色剤」は身近なものになりました。昨今はダメージを与えにくい染色剤も多く出てしますが、やはり髪に染色剤を直接塗布する以上は、髪の健康にも影響します。
比較的色持ちの短いヘアマニキュア、カラーリンスなどの染色剤は、髪へのダメージが少ないのですが、多くの方が使用しているのはヘアカラータイプではないでしょうか。
ヘアカラーは色落ちもなく持ちもよいので、特に白髪を染める方には手放せないアイテムだと思います。少しでも髪のダメージから守るために、最低一ヶ月、できれば二ヶ月くらいは間隔を空けて染めるのが理想的。さらに染めた後のアフターケアとしては、やはりテタリストリートメントで栄養を補うお手入れをおすすめします。
 抜け毛や薄毛を予防するためには、普段から髪を元気にするよりよいヘアケア剤で正しいお手入れをして、紫外線や染色剤のダメージを極力回避しましょう。

第二十一回「エイジングノートに負けない!デオドラントケア最前線!」

第二十一回「エイジングノートに負けない!デオドラントケア最前線!」


  「エイジングノート」とは俗に言う加齢臭のこと。加齢臭という言葉の方が一般的ですが、何だか暗い気分になってしまうのも事実。個人差はあるけれど中高年男性にはあることなので、後ろ向きになるのではなく、上手にケアして気にしないために、あえて「エイジングノート」という言葉をおすすめします。
 さてこの「エイジングノート」の原因は何なのでしょうか?また同じ中高年でも男性だけで、女性にはないのはどうしてでしょうか?そのメカニズムからお話します。
 エイジングノートの原因は、皮膚から出る脂肪酸が酸化したり、発酵した時の独特のニオイだと言われています。これらの脂肪酸は、30代以下の若い人にはあまりなく、40代以降に増えてくることがわかっています。さらに年齢が高くなると、人の身体の活性酸素への抑制力そのものも下がってくることから、ますますニオイの原因に…。それがエイジングノートの正体だという説が有力です。
 同じ中高年でもエイジングノートが女性には現れず、男性特有の悩みとなるのはなぜでしょうか?それは男性ホルモンの方が女性ホルモンよりも、より皮脂分泌が盛んだという特徴があるためです。しかし、「男性より少ない」というだけで、女性も年齢を重ねることでエイジングノートがないわけではありません。最近の若い男性は女性に負けないくらい清潔な人も多くなりましたが、お父さん世代以上ではまだまだ女性ほど「身だしなみ」にうとい方もいらっしゃいます。
 中高年以上の場合には、一般的に女性の方が清潔さを保つことに気を配り、入浴や洗髪もこまめで、フレグランスやデオドラントスプレーなども上手に活用しています。女性のエイジングノートがないというよりは、女性は他人が気づかない程度にはケアしている…という方が正しいかもしれません。
 つまりエイジングノートは心がけと努力である程度はケアできる悩みとも言えます。最近の若い世代はむしろ女性よりも、男性のニオイケア意識が高く、ほんの数年で男性向けデオドラントアイテムの市場は約1.5倍に拡大したとも言われています。
 以前の男性向け香水は昼のオフィスではつけづらいようなイメージがあったかもしれません。でも今は香水に慣れていない男性でも抵抗なくつけられるナチュラルなタイプのものがたくさんあります。男性向けデオドラントアイテムは豊富になり、ポピュラーなスプレータイプはもちろん、ペーパーやクリームタイプなど多彩になりました。
 ケアするスポットや季節、TPOに合わせて使い分けもおすすめ。スプレータイプは広くカバーできる上に手軽。ぜひカバンに一本常備しておきたい。営業マンなど夏場に外で汗をかきやすい方には、ペーパータイプがおすすめ。気になる時にさっとふいてケアできて、気持ちのよい清涼感も特徴です。他にも効果が持続してワキに最適なロールオンタイプ、足の消臭に向くクリームタイプなどさまざま。
 エイジングノートで後ろ向きになり「どうせクサイと言われるんだ」と暗い気分になるのは禁物。誰でも訪れることなので、こまめな入浴、洗髪、清潔な衣服の着用…といった基本的なケアとともに、こうしたデオドラントアイテムを上手に活用して、他人が気づかなければないのと同じ。印象アップして人間関係をより良好なものへと育てていきましょう。

第二十回「冷えに負けない身体づくりへ」

第二十回「冷えに負けない身体づくりへ」


 女性の悩みに多い「冷え症」は、頭痛、肩こり、生理痛、腰痛を悪化させたり、ひどいと婦人科系の病気を誘発することも。そして、むくみの原因にもなる深刻な問題を秘めています。冷えを感じる時には、厚着をしたり、カイロなどで身体を温めることも有効ですが、「冷え」は身体の中から起こっています。
 また「私は冷え症」と自覚して、身体を温めながらセルフケアをする人はよいのですが、「私は冷えと無縁だから」と自覚がないままに薄着や生足で過ごす人も注意が必要です。
 「冷えが起こっているか」を簡単にセルフチェックする方法として、鏡で舌の裏を見る方法があります。ピンク色をしていればよいのですが、血管が浮いて紫色になっていれば冷えている可能性が大です。
 身体が少し冷たいなと感じるくらいなら、さほど気にすることもなさそうに感じてしまいますが、冷えを感じるということは血液の循環が悪くなっているということ。つまり、身体の中のさまざまなコンディションを崩して、大きな病気につながることも考えられます。
 血液のめぐりがよいか悪いかは、健康をキープするためにはとても重要なポイントです。血液には体内に入り込んだ有害物質をスムーズに運び、体外に排出するという大切な役割があります。また摂取した栄養素を体内に素早く届けるのも血液のおかげ。血のめぐりが悪いということは、身体にとって有害な物質が排出されにくく、必要な栄養素も行き渡らない。つまりいろんな病気にかかってもおかしくない状態を引き起こしてしまうのです。さらに内臓などの動きを活発にさせる「酵素」も、身体が冷えていると役割を発揮しにくくなります。
 つまり「冷え」は甘く見て放置しておくと、健康を害する結果になりかねません。
 エアコンによる冷暖房が効いている現代の室内では、体温調節がしづらくなって起こる現代人ならではの冷え症も増加しています。
  血液のめぐりをよくして、「冷え」をなくすにはどうしたらよいのでしょうか?身体の芯から温めるのに最も効果的なのは、ぬるめのお湯に時間をかけて浸かる半身浴です。38~39度のぬるめのお湯を目安として、最低でも20分以上は半身浴をします。ぬるめの半身浴は熱いお湯に全身浸かる時と比べると、心臓への負担が少なく、またじっくり浸かっていられることから身体の芯から温めることができます。
 昨今の入浴剤は保温力に優れたものも多いので積極的に活用し、好きな香りに包まれるリラクゼーション効果も身体によい作用を与えます。
 テレビを見ている時や家事の合間に、ストレッチをしたり、足裏マッサージをするのも効果的。じっくり運動する時間は取れなくても、日常の中で身体を動かすだけでかなり体質改善されますよ。
 また身体を温める効果が高いと言われる食材としては、にんにく、しょうがなどの香味野菜や、根菜。鶏肉、羊肉、いわし、さんまなどが挙げられます。これらを上手に食卓に取り入れて、冷えにくい身体を目指しましょう。

第十九回「女性の病気・乳がんの正しい知識を得て早期ケアを!<実践編>

第十九回「女性の病気・乳がんの正しい知識を得て早期ケアを!<実践編>」


 前回は<基礎編>として、乳がんという病気について、またそのリスク要因などについてお話しました。日本女性の乳がんでの死亡率が高いのは、乳がん検診の受診率が先進国の中で極めて低いことが挙げられます。
 乳がんは早期発見で9割以上が完治する病気なので、特に発症率が高いとされる「30歳以上の未婚女性」「初産経験が30歳以上の女性」「肥満傾向の女性(特に閉経後は高リスク)」「閉経年齢が55歳以降」「家族に乳がん発症あり」の方には定期的な受診をおすすめします。またすべての女性にかかる可能性のある病気でもあるので、年齢や要因にかかわらず、意識すべきことでもあります。
 乳がんの要因のひとつとして「肥満」が挙げられます。特に閉経後は女性ホルモンの分泌が減り、基礎代謝も減って脂肪がつきやすくなっています。年齢を重ねたからこそ、適度な運動が大切。肥満予防はメタボリックシンドローム、糖尿病などの生活習慣病だけでなく、乳がんの予防にもつながります。
 おすすめしたいのは、効率よく脂肪を燃焼する有酸素運動。「私は年だから運動なんて」「スポーツは苦手で」という方も、散歩感覚のウォーキングやプールでの水中ウォーキングなど、気軽に身体を動かすだけでも違います。
 ある程度、体力がついたら、基礎代謝を上げるための筋力トレーニングがおすすめ。筋肉がついていないと、どんなに運動しても脂肪はなかなか燃えません。家事の合間にできるスクワット、テレビを見ながらの腹筋など、気軽にできるトレーニングやお風呂上がりのストレッチから始めましょう。
 欧米では運動不足の人よりも、定期的に何らかのスポーツをしている女性の方が乳がんにかかりにくいというデータも出ています。少しでも運動の習慣をつけることが、乳がんのリスクを減らすことにつながるようです。
 乳がんはセルフチェックが可能ながん。朝のメイク時やお風呂上がりに顔やボディラインを鏡でチェックするように、バストもチェックする習慣をつけることで、早期発見につながります。
 鏡の前で両腕を高く上げて、乳房や乳輪の形に変化がないか?ひきつっていないか?くぼみはないか?などをチェック。さらに腕を腰にまわして、同じポイントを見ます。乳房や乳首をしぼるようにして、分泌物が出ないかを確認することも大切。お風呂で洗いながら、バストの表面を「の」の字を描くようにくるくる触れて、しこりがないかをチェックします。このセルフチェックを月1~2回は続けたいもの。習慣で行うようにして、いつもと凹凸が違うなど、気になることがあれば、すぐにクリニックへ行きましょう。
 そして一番大切なのは定期検診。乳がんの検診はどんなプロセスで、どんな内容を行うのでしょうか。
 乳がん検診で行われる主な検査は、レントゲンを使う「マンモグラフィ」と「超音波検査」です。マンモグラフィとは、乳房を圧迫板ではさみレントゲン撮影する検査法。主に早期のがんを発見しやすいと言われています。超音波検査は、機械を乳房に当てて超音波を送り、反射画像で乳房内部の様子を調べます。
 40代くらいまでの若い年代では乳腺が発達しているため、マンモグラフィだけではがん細胞が発見しにくく超音波検査が欠かせません。一方、50代以降だとマンモグラフィの方が発見しやすい傾向にあります。個人差があるため年齢で一概には言えませんし、また症状や進行度によっても異なるので、組合せ受診がベストです。
 30代までにはマンモグラフィを一度は受けておき、40~50代では1~2年に一回はマンモグラフィと超音波検査を組み合わせて受診。60歳になってもマンモグラフィのみは同じ頻度で受診するのがおすすめです。
 女性なら誰でもかかり得る、早期発見で完治できる可能性が高い病気…ということを意識して、常にセルフチェックや検診などを実践しましょう。

第十八回「女性の病気・乳がんの正しい知識を得て早期ケアを!<基礎編>」

第十八回「女性の病気・乳がんの正しい知識を得て早期ケアを!<基礎編>」


 「ピンクリボン運動」などでも昨今、早期発見・検診・治療がすすめられている女性特有の病気「乳がん」ですが、そもそも乳がんとは一体どんな病気なのでしょうか?
 乳房には脂肪組織の他に母乳をつくる「乳腺」があります。この乳腺にできる悪性腫瘍が乳がん。女性ホルモンの分泌が乳腺を過剰に刺激することで起こりやすいがんと言われています。
 結婚、出産経験と乳がんとの関連性が少なくないのは、母乳に関係している組織の病気だからです。また女性ホルモンのコンディションも影響することから、年齢や生活習慣も関係すると言われています。
 他のがんと比較すると体重が減るなどの初期の自覚症状が現れにくいのも乳がんの特徴。しこりがわかるほど大きくなった時には乳腺以外の臓器にもがんが転移してしまっていることも少なくありません。乳がんはがんの中でも特に定期的な検診を重視しなければならない病気と言えます。
 ここ数年、世界中で患者が急増している乳がん。日本女性では約20人に1人がかかると言われ、年間の死亡者数は1万人以上にのぼります。日本は先進国の中では乳がんで亡くなる人が特に多く、30~40代女性のがん死の上位に挙げられています。その原因は日本の乳がん検診の受診率が、先進国の中では極めて低いこと。欧米では乳がんの検診率は80%を超えているのに対し、日本ではわずか10%前後と言われています。乳がんは早期発見さえすれば、完治の可能性が約90%もある病気。ところが検診の習慣がないために、発見された時はがんが進行している例が多く見られます。ぜひ定期的な乳がん検診を受診しましょう。
 近年、日本女性に乳がんが急増している原因には、ライフスタイルの変化も挙げられています。晩婚化や少子化によって、高年齢でも結婚・出産を経験しない女性が増えたことも要因のひとつ。女性の身体は妊娠・出産・授乳の時には、女性ホルモンの分泌が一旦休息を取るメカニズムになっています。ところが昨今は初潮年齢も早く、妊娠・出産・授乳を経験しない女性が増え、長年休むことなく女性ホルモンが分泌され続ける女性が多いのです。それが乳がんへの影響をおよぼすのではないかと言われています。
 出産経験の有無は乳がんのリスク要因のひとつではありますが、出産を経験した女性の発症率が低いわけではありません。出産経験以上に大きい原因とされているのが食生活の欧米化だからです。
 肥満と乳がんも密接に関係しているのは、皮下脂肪が多いと女性ホルモンの過剰分泌を招きやすく乳腺を刺激してしまうからです。食生活の欧米化で日本女性の動物性脂肪摂取量は、乳がん率の低かった30年前と比べると急増。このため肥満になりやすく、乳がんの発症率も上がったとされています。特に閉経後で肥満傾向の女性は、女性ホルモンの分泌が減っているにもかかわらず乳腺を過剰に刺激してしまうため、リスクが高いと言われています。
 これらのことから、乳がんの発症率が高いとされる女性は「30歳以上の未婚女性」「初産経験が30歳以上の女性」「肥満傾向の女性(特に閉経後は高リスク)」「閉経年齢が55歳以降」、それから遺伝的要因から「家族に乳がん発症あり」、また要因に関わらず「40歳以上のすべての女性」にはリスクがある病気でもあります。さらに発症率は少ないとはいえ年齢が若くてもかかるので、すべての女性が意識しなければならない病気と言えるでしょう。
 次回は乳がんのセルフチェックや定期検診、乳がん予防にもつながる肥満を避けるエクササイズなどを紹介する<実践編>をお届けします。

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