極限までこだわって、想いをカタチへと実現

パッケージデザインストーリー Part4「極限までこだわって、想いをカタチへと実現」


製造ラインという壁の前で

中央をシェイプさせたRライン。双子座のマークのようなフォルム。デザイナーIがこだわり抜いたボトルデザインは、スケッチとなり、設計図となり、徐々に実現化に向かっていった。ところがひとつ大きな課題があった。
 「シェイプラインはバランスが悪く、製造ラインで充填する時に倒れるかもしれない」。確かに美しいデザインは大切である。しかしプロダクトデザインでは「機能性」の条件を満たしていなければ、どんなに優れたデザインでも役立たずになってしまう。特に製造ラインでの不具合は致命的である。
 「安定性の高い形に変更して、リスクは回避する」…危険を冒さないためにはそういう道もあった。しかし、デザイナーのIもプロデューサーのTも、そんな選択肢は頭になかった、ここで妥協して無難などこにでもあるボトルにしてしまったら、「新生テタリス」をイメージして、新しいターゲットに届けようとした思いが無駄になる。そう感じていたのだった。

イメージ通りのカラーにならないもどかしさ
では、どうすればいい? IとTは三恵製薬の生産ラインを検討し、「安定性を保ちながら描けるRライン」を極限まで追求した。そしてようやく「製造ラインの充填時にも倒れにくく、ゆるやかにシェイプされたRラインのボトル」が見いだせたのだった。
 試作品としてできあがったボトルはほぼイメージ通りだった。納期のせまる中、もう心配ごとはないように見えたが、新たな壁が立ちふさがった。
 イメージ通りのカラーが出ないことだった。最終的にボトルのカラーとして採用されたのは、ノーブルなイメージのパープルだった。コスメのヒット作にも採用され、淡いパールを入れることで若い女性にも年配の女性にも幅広く好まれるカラーとなり、ぜひともイメージ通りの色を出したいところであった。
 見本として指定したものと試作品のボトルは素材が違うため、同じような色にならない上に、パールもムラになってしまう。業者とのやり取りを何度も繰り返し、試行錯誤の末にようやくイメージに近い淡いパープルのボトルが完成したのだった。

お客様の元に届けられていくニューボトル
限られた納期の中、「新生テタリス」への思いを込めた新たなパッケージが誕生した。新しいお客様に気に入ってもらえる自信はあったが、長年、愛用いただいているお客様はとまどわないだろうか。
 開発者としての位置に立てば「今までにないものを作ろう」という気になるが、消費者としての立場になると「なじんで安心しているものを変えてほしくない」という気持ちになる。人は誰でも多かれ少なかれ、そういうものである。
 旧デザインの在庫もなくなり、リニューアルされたデザインボトルの「薬用テタリスアルファ」がお客様の元へ出荷されるようになっていった。
 品のあるパープルに彩られた双子座のマークのようなシェイプラインのボトル。今までのお客様はどう感じるのだろうか。気に入ってもらえるだろうか。デザイナーIとプロデューサーTは、ドキドキしながらお客様の反応を気にしていた。
Vol5へ続く